俺が最初に出会いを求めて使い始めたのは、恋活メインのマッチングアプリではなく、もっとカジュアルな出会い系サイトでした。
数あるサイトの中で選んだのは、特にアダルト色の強いPCMAX。理由は至ってシンプルです。
「とにかく女遊びがしたかったから(笑)」
ただ、こういうサービスを使うのは初めてだったので、本当に出会えるのかは半信半疑。登録直後は手探り状態で、メッセージを送っても反応が返ってこないことがほとんどでした。
それでも試行錯誤しながらやり取りを続けるうちに、自然な形で人とのつながりが生まれる瞬間がありました。その時初めて「こういうサイトでもちゃんと出会えるんだ」と実感できたんです。
落ち着いた生活の中で唯一足りなかったもの
当時の俺は、激動の20代が終わり、仕事やプライベートが落ち着き始めた時期でした。とある事業が軌道に乗ったことで、お金にも時間にもある程度余裕ができ、悠々自適な生活を送っていたんです。
でも、その中で唯一足りないものが「人との出会い」でした。全く自由が利かなかった20代の反動もあって、以前から気になっていた出会いのサービスを利用し、女性経験を増やしたいと思うようになったんです。
とはいえ、正直サイトに登録する前は不安や迷いの方が大きかったです。
「出会い系なんて業者やサクラばかりじゃないか」
「本当にちゃんとした女性と出会えるのか」
プロフィールの設定も手探りで、どうすればうまくいくのか全く分かりませんでした。それでも、行動しなければ何も変わらない──そう考え、半信半疑のままアカウントを作ったんです。
最初の1〜2週間は、メッセージを送っても返事が来なかったり、やり取りが続かなかったりして「もうやめよう」と思うことも何度もありました。
それでも少しずつプロフィールを改善したり、文章の送り方を工夫したりする中で、ようやく一人やり取りが続く女性が現れました。
彼氏と別れたばかりの女性とのやり取りが転機に
転機となったのは、彼氏と別れたばかりの女性とのやり取りでした。年齢は30代前半で、当時の俺と同年代。プロフィールには写真がなく、自己紹介文も「最近彼氏と別れて寂しいです」の一言だけ。
そうなると、話題は必然的に彼女の失恋話になり、自然と俺が聞き役に回る形になりました。
それまでの俺は、自分をどう見せるかにこだわりすぎて、少しでも印象を良くしようと必死になり、結果として空回りばかりしていました。しかし、彼女とのやり取りでは、ただ相談に乗るだけで会話が続いていったんです。肩の力を抜いたやり取りが、少しずつ距離を縮めるきっかけになったんだと思います。
「この流れなら、会う約束ができるかもしれない」
そう思い始めた頃、思い切って「一度会ってみない?」と送ると、彼女は驚くほどあっさり「いいよ」と応じてくれました。
もちろん嬉しさもありましたが、それと同時に「ここからが本当の勝負だ」という緊張感も芽生えました。
プロフィールやメッセージはあくまで入口にすぎず、実際に会ってからの振る舞いこそがすべてを決める──そう自分に言い聞かせながら、俺は最初のデートの日を迎えることになったのです。
初めての対面──渋谷でのドキドキの出会い
待ち合わせ場所は渋谷ヒカリエの入り口前。まだ顔も知らない状態だったので、合流するまで少し手間取りましたが、服装を聞いてようやく彼女を見つけることができました。
「やっと会えたね」と声をかけると、彼女も少し照れながら「ほんと、ドキドキする」と笑顔を見せてくれました。実際に目の前に立つ彼女は、俺好みの綺麗系な雰囲気で「こういうサイトでもこのレベルの女性と出会えるんだ」と内心で思わずガッツポーズ(笑)
メッセージでのやり取りの時点で飲みに行く話にはなっていましたが、特にお店は決めていなかったため、歩きながら適当に見つけた大衆居酒屋に入店。居酒屋では、メッセージで話していた趣味や仕事、日常の些細な出来事など、他愛のない会話が続きました。
本来の目的を考えれば、タイミングを見てホテルに誘うべきでしたが、まだその判断もままならず、その日は結局2時間ほど飲んだだけで解散することに……。
それでも、帰り際に彼女は「今日は楽しかった。また会いたいな」と言ってくれました。
「第一印象が悪かったらどうしよう」
「話が盛り上がらなかったら気まずいな」
会う前は期待より不安の方が大きかっただけに、彼女の言葉を聞いたときは心のどこかでほっとした気持ちが湧くと同時に、次のデートへのワクワク感も自然に膨らんでいきました。
2回目のデート──リラックスした空気で距離が縮まる
その後、無事に次の約束ができ、2回目のデートも渋谷で飲むことになりました。
前回よりもリラックスした空気の中で、自然に会話も弾みます。「もう元彼のことは吹っ切れた?」と聞くと、彼女は笑顔で「おかげさまでだいぶ気が楽になったよ」と返してくれました。
元々は遊び目的で始めたはずなのに、いつの間にか俺も真剣に相談に乗っていて「彼女とちゃんと向き合ってよかった」と心から思えたんです。
居酒屋を出たあと、少し歩きながら「そろそろゆっくりできる場所に行こうか」と誘うと、彼女も笑顔で頷いてくれました。
今まで付き合ってもいない女性をホテルに誘う経験などなかったので、誘う瞬間は口から心臓が飛び出しそうなくらい緊張したのを今でもはっきり覚えています(笑)
お互い次の日が休みだったこともあり、そのまま彼女と朝まで一緒に過ごしました。それまであまり女性経験のなかった俺にとって「サイトを使えばこんなに刺激的な時間を過ごせるんだ」と実感でき、出会い系を使う前の不安が一気に今後への期待感に変わったんです。
そして、別れ際に彼女が一言。
「また会ってくれる?」
まだ人通りの多い駅の改札前で、人目をはばからず抱きつかれながらそう言われたときは、心の奥で「これまでのメッセージのやり取りやデートの積み重ねが、ちゃんと結果として返ってきたんだ」と感じることができました。
文字だけでは伝わらないリアルな距離感の大切さ
この体験を通してまず感じたのは、文字だけのやり取りでは相手の本当の雰囲気までは分からないということです。メッセージでは伝わらない声のトーンや表情、仕草が加わることで、距離感は一気に縮まるんだと実感しました。
次に、半信半疑でも行動してみることの大切さです。メッセージを重ねて、少しずつでも距離を縮める──たったそれだけの小さな一歩が、リアルなつながりを生むきっかけになります。勇気を出して動けば、想像以上に自然な形で出会いが生まれることを、身をもって知りました。
さらに、相手の気持ちに寄り添うことの意味も大きいです。この体験では、彼女の話をただ聞いて共感するだけで、距離感がぐっと縮まっていきました。結局、会話やデートはテクニックだけではなく、信頼を着実に積み重ねていくことがどんな出会いでも一番大事なんですよね。
小さなやり取りやデートの積み重ねが、相手の安心感や信頼感につながっていく。彼女との出会いは、行動と思いやりが揃ったときに初めてリアルなつながりが生まれる──そんなシンプルだけど大切なことを教えてくれました。
出会いは小さな一歩から始まる
今回の体験を振り返って思うのは、出会いはいつも小さな一歩から始まるということです。メッセージのやり取りも、初めてのデートも、勇気を出して動いたからこそ自然な出会いにつながっていきました。大事なのはテクニックよりも、相手に寄り添いながら距離感を丁寧に確かめることです。
まだネットでの出会いに不安を感じている人がいれば、少しだけ勇気を出して最初の一歩を踏み出してみてほしい。たった一歩が思った以上に自然でスムーズな出会いを得られるきっかけになります。
- 小さな一歩を恐れず踏み出す
メッセージや軽い誘いから始めることで、つながりのきっかけを作る - 相手に寄り添う
相談や愚痴に耳を傾け、共感するだけでも信頼感が生まれる - 距離感を丁寧に確かめる
会話やデートでの表情・仕草を意識し、自然な距離感を保つ

